ダック

昭和32年創業。先代の社長、清水富美子は飛行機乗りであった夫、千波氏が家を留守にする事が多く、その時間を使って何か出来ないかと考え、女学校時代に出会ったドイツ人の先生から洋裁を習った経験を活かし、今の自由が丘デパートにてダックを始めることになりました。店名のダックの由来は、その当時ダック芯という材料があったことや、アヒルが好き、ダークダックスが好きだったことから店名をダックにしたと聞いております。ボタンに対するこだわりは強く、ご来店下さったお客様がボタンに合わせる生地や洋服を持って来ないと返してしまうというかなり個性的な女性でありました。今でもお客様から「よく怒られたわ」と懐かしい思い出話を聞くことがあります。お店ではボタンホールのミシンを踏み、家ではボタンの染色、洋服を縫っていました。96歳で他界する2ヶ月前までお店に立ち 仕事をしていました。戦争を生き抜き、物のない時代から人生の約半分をダックと共に過ごしてきたのでした。2016年4月に先代社長の想いを集め、 59年間営業した自由が丘デパートから新店舗自由が丘テラスへと移転致しました。約2000種類のボタンと洋裁材料、手作りの作品と共に今も変わらず営業しております。